進化を止めない世の中で、次は何だ?何が来る?SNS の次はメタバースだ。ハイブリッド車もガソリン・ディーゼル車も20〇〇年までに消える?◯◯が生産中止になるらしい?なんてことに翻弄されて、一つ前のコンテンツの真相が謎のまま、自身で体験もできていないまま、次のコンテンツにいつの間にか以降。正直若くないので、速すぎる一連のスピードについていけないけど、なんとかついて行こうと頑張ることに少々嫌気がさしてきた。
そんな「速く」、せわしい世の中で、機械式時計のゼンマイ仕掛けやそのビート、車やバイクのエンジンの音、排ガスや燃料の香りなど、スローなモノに心が癒されてはきましたが、最近ではそんなスローなものでさえ、日に日にファーストに加速して価格も高額化。そんな状況が長すぎてちょっと疲れちゃいました。
スローなものは速くて値段が高い
この前まで買えたはずの時計はいつの間にか予約すらできず、迷う暇(いとま)どころかその権利すらも与えてくれない。雑誌に載っていた時計は、正規店に行っても予約すらできない。正規店でロレックスに遭遇したら数分以内に決めなければならない。
ちょっと待って。本来、高級機械式時計は、何ヶ月も迷い考え、ショップやブティックなどに何回か足を運び、店員さんとコミュニケーションを図ったうえ、最後は清水の舞台から飛び降りる気持ちで現金かカードを叩きつけて買うもんじゃなかったのか!?
しかし今、そんな古来の「儀式」をしていては、昨日まで時計に興味がなかった新興勢力にあっという間に追い抜かれてしまう。車だって、少し前まで、安かったはずのマニュアルトランスミッションのスポーツカーや一部の高性能車はどんどん価格が上がっていて、明らかに本来の価値を価格が超えちゃってます。「子供が大きくなって落ち着いたらもう一度あの頃のスポーツカーに!」なんてプランも完全に白紙撤回です。
ニッチだったはずの機械式時計もエンスー車も、転売や投資といったマーケットが拡大して、もう法外とすら思える価格に。ぼったくりバーとの違いは、相場という概念があるかないかだけで、金額的だけ見たらほぼ、ぼったくり価格?
いずれにしても、今やスローなものを手に入れるためには、人より素早い動きと、価値以上の対価を支払わなければならないことが当たり前になってしまった。やたらせわしいのに刺激の足りない世の中で、癒しや刺激をスローなモノに求める人々が国内外に増えすぎてこうなっているだと思うけど、それにしてもちょっと・・・。
スローなモノ争奪戦は疲れる
こんなことから、私、最近だんだんと、「速いモノ」と関わりたくないって思うように。ちょっと疲れて(病んで)きたのか、歳のせいなのかもしれません。ある意味ロレックスなどを正規店で買える人や、「速い」世の中で平然と生活している人々への時間的・金銭的事情を含めた嫉妬かもしれません。
疲れた私は、最近聞くと疲れる用語があります。例えば、①「ロレックスマラソン異常あり」・・・SNSで見すぎて疲れました。正規店に在庫があることが「異常」?確かに現実そうかもしれませんが、そもそも正規店に無いことが「異常」なはずなのに。なんか過去精力的にマラソンしていた自分が少々嫌に・・・。②ランゲ&ゾーネ・・・その「響き」だけで選んでる人いません?何百万する金無垢時計を欲しがる人がこんなに多いとは。③「案内してくれた店員さんに感謝」・・・本来買ってくれたお客さんに、店員さんが感謝するんです。彼らはそれで給料もらってますし、営利企業なので、売るもの無いと困ります。
こんな感じで少々心が荒んだせいか、物事の見方が悲観的になっています。
独自の価値観が持てればもっと楽しめる?
SNSに溢れる「にわか時計好き」(失礼)や、時計も車もお金儲けのツールに過ぎない「転売ヤー」に自分の価値観を曲げられないよう、ブレない独自の価値観を持ちでモノを選びたいと思っています。しかし、そもそも選ぶ権利も失われつつあり、かといって仕事が忙しいのでロレックスマラソンもしばらくできそうにありません。こんなことから、この情勢が収束するまで、この私の「疲れ」が取れるまでしばらくは、速すぎるのもとは距離を置くことになりそうです。
いずれにしても今後も、自分の本当に好きなものを、適正な対価で、ある程度時間をかけて選べる世の中に早く戻って欲しいものです。
また、元気になったら「速いモノ」の世界にも首を突っ込んでみたいと思います。