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諸行無常と機械式時計

先日ある番組をラジコで聴いていたら、番組に出演されていたお坊さんが「諸行無常」という言葉を紹介されていました。話を踏まえた私なりの解釈は、「あらゆるモノ、他人の考え方や存在、自分自身も常に変化しており、いつかは消えてなくなる儚いものである。だから変わりゆくモノに変わらな欲しいという期待をしていては、いつまでも幸せになれない」概ねこんな意味が込められた言葉かと。(間違った解釈をしておりましたら申し訳ありません。)

改めて諸行無常とはそのとおりだと思いました。

しかし同時に諸行無常の世の中とは分かっていても私を含め人は未だ「変わらないモノ」を求め続けていることも事実であり、だから機械式時計に魅了されるのでは? とそこに強引に繋がってしまいました。

機械式時計は複数の意味で「変わらないモノ」である、その理由は、

・ゼンマイが解ける力を動力として時を知らせる道具であることは何百年と変わっていない。

・分解清掃や修理などメンテナンスを繰り返すことで使い続けることができるので、ずっと同じ時計を一生使い続けることもできる。

同時に機械式時計の中でも「諸行無常」のセオリーに当てはまりにくい存在、ロレックスやパテックフィリップが人気の理由が見えてくる。

例えばロレックス、あらゆるモデルで進化は遂げているものの、基本的にデザインが変わっていない。オイスターケース、オイスター(ジュビリー)ブレスやロゴなど基本の造形をほとんど姿を変えず、何十年と一目でロレックスとわかるアイコニックな存在であり続ける。さらに資産的価値も変わりにくく、メンテナンスをすれば、子や孫にも引き継ぐことができる。

諸行無常は確かにほぼ全てのモノやコトに当てはまるが、人々はそれをわかっていながら「変わらないものを」求め続ける。だから時代が変わっても、自分自身が変わっても、他人が変わってしまっても、ロレックスは変わらない、そんなことに潜在的に期待しながら我々はロレックスに「変化しない存在の象徴」であることの期待を持ってしまう。故にロレックスを求める人が多い。そんな納得?の理屈を考えてしまった。

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