長引くコロナ、円安、原油高、半導体不足、不安定な世界情勢などに起因する値上げラッシュ、物価高騰。
時計界も例に漏れず、特に円安による定価の高騰に加え、コロナによる生産量の低下による値上げ&入手困難のダブルパンチを食らっている。
欲しい時計は正規店で買えない。一部の時計は予約もできない。予約できても、手に入れるまでに定価はどんどん高くなる。パテックフィリップは100年待ちなんてすら言われている。
そんな最中のある日、とある某時計店の前を通ると、「ブラックフライデー」の告知。ブラックフライデーはアメリカの発祥の、感謝祭関連のイベントらしいが、細かいことを気にせず外国文化をすぐに受け入れられる日本では、要するに11月末に行われる、年に一度のセールイベント。
そんなブラックフライデーに惹かれ何気なく店内へ。

するとSEIKOプロスペックスのショーケースの中に「各1本限定◯◯%OFF!」の文字が・・・。「◯本限定」とか「◯◯%OFF」にはめっぽう弱い私である。
そこには、SEIKOのプロスペックス、アルピニストの2モデルが思わぬ割引で売られていた。 SBDC137が定価、税込77,000円、SBDC138は定価79,200円が各一本限定で◯◯%OFF。
そのお店がSEIKOに怒られるといけないので、◯◯%OFFとしたけど、半額ちょっと手前?
「安いじゃないか・・・」

SEIKOブランド内で比較的上位の完全自社製(もちろんSEIKOはヒゲゼンマイまで自社製)6R35自動巻ムーブメントは70時間パワーリザーブ、で日差範囲も優秀。サファイアガラス、ねじ込みリューズ、20気圧防水、スクリューバックに裏スケまでを装備している。すっきりした見た目ながら、実用性+αのタフさを兼ね備えているじゃないか。伊達にアルピニストを名乗っていないな。

しかしなんと言っても、コイツのスペックに対する価格が良心的すぎる。スイスの時計であれば、同様の内容で(もちろん汎用ムーブメントで)、10〜15万円はするだろう。それがこのプライスなんて。このご時世にそもそも8万円切りの定価でもコスパは高くて良心的すぎるのに、それが◯◯%OFFなんて、ちょっとお買い得すぎるでしょ!

というわけで、思わず買ってしまった。ゴールドベゼルとグリーン文字版のSBDC138も魅力的だったが、より自然な配色のSBDC137を購入。帰宅後すぐに、ストラップをフェニックスの各色(黒&ジェームズボンド)NATOストラップに交換。よりすっきりした私好みの見た目になった。


最近使っていた同じくプロスペックスのSBDX017の重さに少々疲れていたので、コイツ(SBDC137)は気分転換にもちょうどいい。
そして約10日間使ってみた結果の感想は、
(良い点)
- 70時間パワーリザーブは心強い。使わない土日も平気で乗り切ってくれる。
- 顔に似合わずネジ込みリューズと20気圧防水はありがたい。
- 見た目は至って「普通」。嫌味がなくていい。
- カジュアル寄りだけど、スーツでもイケる。
- 純正ストラップの質感が高い(フェニックスと比べ)
- 裏スケから見えるムーブメント
- 精度優秀(10日で1分強の進み=日差+6秒程度)
- とにかくコスパ最強(良心的な価格設定)
(ちょっとな点)
- やっぱり見えない部分の仕上げは甘い
- 文字版が紙っぽくて高級感を感じない
- 「alpinist」の表記が欲しい
- 見た目はとにかく普通のSEIKO
- 裏スケなら、もうちょっと美しさが欲しい6R
今のところはこんな感じです。
いずれにしても、このご時世コスパ最強時計であることは間違い無いでしょう。
機械式時計の入門編としても、サブ時計としてもおすすめです。




