腕時計に関する知識

腕時計のパワーリザーブとは?どのくらい必要?

「パワーリザーブ」の定義

「パワーリザーブ」とは主に2つの意味で使われます。

①パワーリザーブ表示機能を表す

腕時計のゼンマイ(動力源)にどのくらい動力が蓄えられているかが一眼でわかるパワーリザーブ表示機能を持つものがあります。例えば下の画像のパネライルミノール パワーリザーブ(Luminor Power Reserve)は最大50時間の動力を貯める性能を持っていますが、それがあとどのくらい蓄えられているか(動力が残っているか)を示すパワーリザーブ表示機能が備えられています。

この表示機能は、時計が止まるまでの猶予が示され、ゼンマイを巻くタイミングなどが判断できるため便利な機能ではありますが、なくても困るものではないので、正直そこまで必要性を感じる人は少ないかもしれません。

②パワーリザーブ性能を表す

最大どのくらい動力を蓄えれれるかの「性能」を表す場合にも使われます。

例えば「パワーリザーブ72時間」などと表されます。一般的に現代の腕時計は36時間(1日半)〜72時間(3日)程度ですが、複数のゼンマイ(香箱)を持つムーブメントの腕時計では、120時間(5日間)、190時間(約8日間)のパワーリザーブ性能を持つものもあります。そして私の知る世界最長のパワーリザーブ性能を持つ時計は7つのゼンマイ(香箱)を持つ14日間(336時間)パワーリザーブのウブロ ビッグバン MP-11です。なんと最大二週間止まりません。そして「パワーリザーブ表示」も併せ持ちます。

【名古屋】【HUBLOT】ウブロ ビッグバン MP-11 パワーリザーブ 14デイズ マジックゴールド 911.MX.0138.RX メンズ 18K ラバー 手巻き【中古】

パワーリザーブ性能はどのくらい必要?

答えからいうと、必要なパワーリザーブ性能はその人のその時計の使い方によって異なります。

所有しているのが、複数の時計か1本だけなのかによっても変わりますし、週末だけ使う時計や平日毎日使うけど週末は使わない時計など、その使用方法や用途によっても必要なパワーリザーブは変わってきます。

例えば土日しか使わない時計で土曜日が来るたびにゼンマイを巻いて時計を合わせるのがおっくうな方は放って置いても5日間(120時間)以上止まらないパワーリザーブ性能をもった腕時計をセレクトする必要があるわけです。平日のみの使用で土日は使わない時計であっても、48時間以上のパワーリザーブが必要になるということになるので、平日と週末でそれぞれ違う腕時計を使う方はこの辺を加味して時計を選んだ方がいいことになります。

長時間のパワーリザーブ性能を持っていない時計を止めない方法としてワインディングマシーンに入れておくという手もあるが、余計な動きを与え続けることによるパーツの摩耗も懸念されるので、個人的にはお勧めしません。例え止まったとしても都度巻いた方がいいと思います。実際に以前ワインディングマシーンに入れ続けたIWCは一年足らずで故障しました。もちろんそれが故障原因となったかは実際のところわかりませんが。

そもそもパワーリザーブが○○時間?そんなことを考えること自体がめんどくさい方にとって、意外におすすめなのが手巻き時計。手で巻くことを前提に作られているので、ゼンマイを巻くハードルが低く、ねじ込みリューズでない限りいつでも思い立った時にゼンマイが巻けるので、防水性を重視しないのであれば今回の趣旨とは異なりますがお勧めできる選択肢になります。

パワーリザーブ性能は長ければいい?

長いことのデメリットは?

パワーリザーブが長いこと自体のデメリットはありませんが、幾つか挙げるとしたら次のようなものがあります。

  • 時計が大きくなる…香箱が大きくなる、または複数になれば、時計が厚く大きくなります。
  • 価格が高額になる…最初の方に紹介したウブロの14日間パワーリザーブの時計MP 11は1200万円超えです。
  • 修理費が高額になる…香箱・ゼンマイの数が増えればパーツ点数が増えるので、オーバーホールや修理費が高くなる可能性があります。

パワーリザーブはどのくらいが適切?

1本の時計を寝ているとき以外常につけている人にとっては、はっきり言って重視しない性能と言っていいでしょう。しかし土日と平日は違う時計を使いたい、複数の時計をローテーションして使いたい、ワインディングマシーンには入れたくないという方にとっては、重要な要素になります。最近はどのブランドもロングパワーリザーブが当たり前になりつつあり、ロレックスの主要モデルたちも従来の48時間から70時間にアップデートが進んでいる。

3230は約70時間のパワーリザーブ

適切な数値は人によっても異なるが、ロレックスを基準とするならば、70時間くらいあるのが今後の標準になるのかもしれません。

個人的には最低2日は持ちこたえて欲しいので、最低ラインは48時間と考えています。

ただし、時計の美しさや薄さにこだわり敢えてロングパワーリザーブ性能を重視していない、それを犠牲にしてでも美しさを追求した腕時計もあるので、長ければ長い方がいいとは一概には言えないでしょう。

ABOUT ME
すんすん
高校生の時に図書館で「男の一流品図鑑」を見たことがきっかけとなり、以降時計収集の趣味に目覚める。これまで所有した機械式腕時計は100本以上。過去の成功や失敗を生かし「後悔しない時計選び」をアドバイスさせていただきます。 ・古物商資格(時計・宝飾品石商) ・潜水士

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です