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最良のNATOストラップはPHOENIX(フェニックス)か?CWCか?

NATOストラップの選択肢

※NATOストラップの起源や定義などについては、他サイトで詳しく説明されているのでここでは割愛します。

私はなかり前からNATOストラップと言えばフェニックスという固定概念を持っていました。

フェニックスG10は、1970年代から正式にイギリス軍(国防省)が採用してきた正真正銘本物のミリタリーウォッチ用ストラップですが、現在では、CWC(カボットウォッチカンパニー)のナイロンストラップがイギリス軍の正式採用品となっています。

その他にも様々なメーカーから発売されているNATOストラップ。現在のベストバイはどれなのでしょうか?

フェニックス、CWC、time PLUS のNATOストラップを比較

比較した商品

  1. フェニックスG10NATOストラップ・・・約5,000円で購入
  2. CWCNATOストラップ・・・約3,500円で購入
  3. タイムプラス(time PLUS)NATO G10バリスティックナイロンストラップ・・・約2,000円で購入



まずは、ナイロンの質感についてです。同じナイロンでも柔軟性や質感は結構異なります。

フェニックス・・・パリッとドライな質感でコシがあります。ナイロンの編み方が細かく肌触りはそこまで悪くないですが、やはり少々硬めで快適さより耐久性や堅牢性を重視している印象です。そして光沢感の少ないマットな色味。個人的にはJBカラーはフェニックス社のグレーが一番好きですね。黒やグレー文字版の時計によく合います。

CWC・・・ナイロン部分は固すぎず、柔らかすぎずフェニックスとtime PLUSの中間くらい。ナイロンの編み目の細かさも両者の中間くらいです。下の横並びの写真を見ていただくと表面の質感の違いがわかると思います。

time PLUS・・・しっとり柔らかくツルツルとした質感です。柔軟性が高く、腕に巻いた際の肌馴染みが良いです。表面の凹凸は大きめな、光沢感があるバリスティックナイロン。雰囲気ではフェニックスやCWCに敵いませんが、普段使いの快適性はこちらの方が上かもしれません。

写真は右からフェニックス、CWC、time PLUSですが、ほぼ同じ位置で保持してみるとハリや柔軟性がわかります。

ちなみにフェニックスとCWCはイギリス軍の規格により、糸を用いず熱処理で固定や穴の処理を行うことや、ナイロンの編み方や肌へ影響のある添加物を使用しないことなど細かい指定の基で製造されています。

製法について

写真は上からフェニックス、CWC、time PLUSの順

フェニックス・・・折り返し部分や金具の固定が全て熱処理にてされており、縫製の糸は一切使われていません。過酷な状況下で糸がほつれて時計が脱落するようなことを避けるためでしょう。しかし、裏側を見ると明らかに熱処理をした痕跡がみられ、正直質感はあまり良いとは言えません。

CWC・・・基本的にフェニックスと同様の熱処理による圧着ですが、フェニックより丁寧な作りの印象です。熱処理部分の質感変化がなく裏側も綺麗です。

time PLUS・・・各箇所縫製(糸)にて固定されていますが、丁寧に縫われているので通常の使い方でほつれるようなことはなさそうです。普段使い用としての品質は十分です。ただ本物の雰囲気は感じない。

尾錠やループの金具

いずれもステンレス製です。フェニックスはポリッシュ、time PLUSはサテン仕上げ。CWCも通常品はポリッシュ仕上げですが、私はPVD加工された艶消しブラックを選びました。ここは好みが分かれる部分かと思います。

フェニックスとCWCは尾錠表に社名ロゴ、裏側にはベルト幅が刻印されています。ここもイギリス軍が指定した規格なのでしょうか。time PLUSは無印になります。

しかし、ここで一番気になる点があります。それはベルトループ金具の位置です。

フェニックスは昔からあるせいか、小径の時計への装着を想定していたのでしょう。現在の比較的大径の時計に装着すると6時側のベルトループがラグに当たってしまうことがあります。

外径約42mmの時計にフェニックスとCWCを装着してみると、フェニックスは6時側のラグに干渉することがありますが、CWCとtime PLUSではそのようなことはありません

↓フェニックスの20mm

↓CWCの20mm

最後は価格についてです。

フェニックスの実勢価格は5,000円前後、CWCが3,500前後、タイムプラスは2,000円程度で最安値のtime PLUSから約1,500円くらいずつ高くなります。

最良のNATOストラップは・・・

上記を踏まえると、総合的にはきっとCWCが最良でしょう。

「本物のNATOストラップ」でありながら、先輩であるフェニックスの欠点を補うリファインが図られており、しかも実勢価格も安いです。

長年フェニックスを愛用してきた私も、今後はCWCを選ぶかもしれません。

もちろんフェニックスも独特の雰囲気や初代ジェームズボンドが使った歴史を持っているので、今でも十分魅力的なNATOストラップですし、time PLUSのG10ストラップは品質も高く、それなりにコスパはいいと思います。

しかしイギリス軍にも正式に納品されている「本物」を3,500円程度で手に入れることができるなら、現時点ではCWCがベストバイなのかもしれません。


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NATOストラップにはどんな時計が合う?

ドレスウォッチやラグジュアリーな装飾時計をのぞき、カジュアルな雰囲気の時計なら幅広く合うと思います。

さまざまな色や柄が選べることもNATOスタラップの魅力ですが、基本的に時計の文字盤やケースと近い色を選ぶことをお勧めします。

初代ジェームズボンドの影響もあり、ダイバーズウォッチにはJBカラーもいいですね。スーツ姿にもマッチします。

ミリタリーウォッチであれば、カーキやサンドカラー、グレーもいいですね。

私は現在、JBカラー、ブラック、グレーの3色を使っていますので、その画像を何枚か載せておきます。

ぜひ参考にしてください。(スマートフォンはスワイプで次の画像が見られます。)

NATOストラップの懸念(デメリット)とその対応

①穴の劣化・毛羽立ち

使っていると穴の周辺が毛羽立ってきて、ちょっとずつ穴も広がってきます。そんなときはアイロンを使うと少しは改善されます。

アイロンの設定温度は比較的高温でやらないと効果がなさそうですが、それでも劇的な改善は期待できません。さらに副作用として若干光沢が出てしまいます。まあこれもアジだと思えるので問題ないのですが。

私はこの方法を使っていますが、フェニックス意外はあまり試したことがありません。その辺も含め自己責任の範囲でお願いします。

②匂い・汚れ

比較的通気性が良いNATOストラップですが、水や汗で濡れたまま放置してしまうと匂いがするようになってきます。

そんなときは、中性洗剤を水に薄めた液体の中にしばらく漬け込んだあと、柔らかめなブラシと中性洗剤で洗ってあげます。水洗いやハンドソープでの洗浄でも良さそうですが、ナイロンの中に汚れや汗が染み込んでいる場合、ある程度漬け込まないと匂いがなかなかとれません。

最後に

交換も容易なので、ストラップを替えたり装着する時計を替えたりと気軽に気分転換ができます。しかも長年の使用にも耐え得る耐久性も持ち合わせていますので実はコスパが高かったりします。

まだ使ったことのない方、本物のミリタリーストラップを一度は使ってみてはいかがでしょうか。



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