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SEIKOの不満

日本人が誇るMADE IN JAPAN、完全自社製マニュファクチュールのグランドセイコーは日本で唯一、世界のマニュファクチュールと対等に戦えるポテンシャルを持つ日本の宝であり誇りである。

しかし、今日は日頃から感じている「不満」を勝手にぶちまけます。

セイコー&グランドセイコーという日本の宝にあえて苦言を呈させていただきます。

何がそんなに気に入らないのかというと、いくつかあるので1つずつ説明していきます。

グランドセイコーのネーミングとコンセプト

グランドセイコー(Grand Seiko)というネーミングは1960年代に遡り、セイコーのフラッグシップラインという位置付けでスタートした。それから約60年間「最高の普通」、「実用時計の最高峰」のコンセプトでセイコーの中の実用のフラッグシップラインとして存在してきた。

まずネーミング、改名や統合ってのはハードルが高いけど、現実2017年にロゴマークの変更をしているグランドセイコー。自身でも少なからず何かを感じていたのだと察しますが、はっきり言って未だに微妙。

トヨタの高級バージョンはレクサスであり、グランドトヨタではない。グランド日産、グランド本田、グランドマツダみたいなノリですよ。昔ハイエースの高級バージョン?にグランドハイエースってのがあったが、もうそうゆうレベル。グランドトヨタだったら、おじさんは喜ぶかもしれませんが、若者は遠ざかるレベルのネーミングセンスじゃないですか?トヨタはトヨタのイメージを払拭し、差別化した高級ブランドを作るため、レクサスを作ったと思いますが、グランドセイコーは、名前上今でもセイコーのままなんです。セイコー5もグランドセイコーもセイコー、未だに大衆向けヤリスもセレブ向けのセルシオ(LS)もトヨタみたいに。

グランドセイコーの分かりにくいラインナップ

セイコーの細分化されたブランドの頂点、グランドセイコーの中にもさらに細分化されたシリーズがあって、Masterpiece CollectionやらElegance CollectionやらHeritage CollectionやらSport Collectionがある。

まず、Masterpiece CollectionとElegance Collectionとクレドールとの差別化が正直良くわからない上、またまたクレドール内にも5つ?のシリーズが存在して、中にはグランドセイコーとぱっと見被りそうなモデルもある。クレドールはセイコーから独立していて、グランドセイコーがセイコー内の実用最高峰っていう位置付けは理解できていますが、もしかして、セイコーの中ではクレドールは対パテックフィリップでグランドセイコーは対ロレックスなのかな?

セイコー全体を見ても、細分化したブランド内を見ても、シリーズが別れ過ぎてもう理解ができません。ちょっとここら辺で統合と整理をしませんか?ロレックスを見ると、実質クラシックかプロフェッショナルの2択で、そこにクレドール的なチェリーニが存在するっていう、超分かりやすいラインナップ。

トヨタのようにオールマイティーなブランドであることはわかるんですが、分かりにく過ぎます。SEIKO5、ブライツ、プロスペックス、プレサージュ、アストロン、ガランテなどなど、なんか一つの洋服店の中に、GUからユニクロからルイヴィトンやエルメスまでありますみたいな状態。そうなるとやっぱ、ヴィトンやエルメスの価値まで下げちゃいませんか?

意外にリーズナブルな機械式は GSとバッティング?

またモデルごとのコンセプトも分かりにくすぎます。

なんでもロレックスを奉るわけではないが、ロレックスは、非常にラインナップ整理がうまいと思う。一つのブランド内で、全てにペットネームを付け、それぞれのコンセプトを明確にしている。デイトジャスト41ならそのまんま、デイトジャストってあんな感じで、大きさが41mmねって。対してグランドセイコーのモデル。SBGJ237とか言われても何一つピンとこない人がほとんど。ロレックスサブマリーナと言われれば、あのディティールを真っ先に浮かべる人は多いのに対し、グランドセイコーSBGJ237はグランドセイコーまでのイメージしかできない。だからと言って真似してペットネームをつけろって言ってるわけではありません。とにかく分かりにくいモデルごとのキャラクター設定と全体のラインナップを分かりやすく整理してれませんか?ってことなんです。

グランドセイコーの機械式スポーツモデルが少なすぎる

今日現在、グランドセイコーのHPで検索するとスポーツコレクションの機械式はたったの4モデル。しかも実質2モデルなのかGMTとダイバーだけ。しかも、このGMTの3モデルもどうなんでしょう?(このことは次の見出しで触れます。)

比較的若い30代や40代でスポーツの機械式高級時計を購入しようとする人は多いと思うのですが、これじゃあ選べず他のブランドに直行です。

守る?攻める?ぶっ飛ぶ?グランドセイコーのデザイン

例えば上の画像で、上段の一番左のロレックスGMTマスターっぽいモデルが基本ってことはわかるけど、真ん中の革ベルトは、スポーツモデルに革ベルトってアリなの?スポーツコレクションって言うくらいだから、着けてなんらかのスポーツするんだよね?ラバーならわかるけど、汗で革やられちゃいません?セイコーのいうスポーツってなんなのさ。しかも、ヘリテージコレクションの中にこれってスポーツコレクションで良くない?ってのもあって分類の定義が理解できない。あと一番右のやつ、なんか色々付いた最近のガンダムみたい。私は世代的に初代ガンダムからせいぜいニューガンダムでギリギリなので、それ以上ゴテゴテボリュームが増したなんとかガンダムは名前すら分かりませんが、そうゆう類。

そういえば、こんなブッ飛んだモデルもあったのを思い出した。羽の生えたガンダムとかありましたが、あれよりかなりタチが悪い。

発売するってのは、エイプリルフールにちなんだ冗談だったんですが、売る気があるのかないのかは別にして、お堅いメージのグランドセイコーも話題性を得るためになら、なんでもやるんかって感じです。

逆に、見た瞬間私の中のブランドイメージ確実に悪化しました。これやったら、例えロレックスでもパテックでも冗談でも許せない。許せないのを通り越して悲しくなりましたし、もうグランドセイコーの実用時計の最高峰ってコンセプトは崩壊したなって思いました。

この時計のデザイナー(外注)の方曰く「あこがれのグランドセイコー最新モデルのビジュアル制作のお話をいただけて、ファンの一人としてとても嬉しく思っています。伝統あるグランドセイコーのブランドとスプリングドライブのメカニカルな部分をイメージして仕上げました。」お、おう…

私がグランドセイコーの責任者なら「○○さん、またまたご冗談を。そろそろ実物見せてくださいよ。」か「これって小学生の息子さんの夏休みの作品か何か?」若しくは「スプリングドライブのメカニカルな部分をイメージして仕上げましたぁ?あー…ただの手裏剣やないかい!」って突っ込んじゃいますよ。結局売られなかったけど、何が目的だったんだろう?って今でも不思議です。

セイコーさんお願い。せっかくこれだけセイコー内でシリーズ細分化したんだから、「こうゆうのは他でやって!ガランテとかさ。」あと、ちゃんと時計のこと理解したデザイナーちゃんと雇って。これを見たジェラルドジェンタは天国でなんと言うんだろう?ジェンタはイタリア系だからきっと「マンマミーア」と言うだろうけど。

メンテナンスやパーツの在庫に期限がある?

SEIKOのサポート期間はグランドセイコーやガランテが10年、その他は7年とのこと。グランドセイコーではないけど、以前セイコーの少し古い(15年くらい経った)時計をセイコーのサービスに対して修理を依頼したところ、サービス期間が終わってますと、一切のメンテナンスを断られてしまった。

おいおい、パテックフィリップは永久にパーツをストックしているらしいぞ・・・もう少しラインナップを整理して、メンテナンスサービスを充実させて欲しいな。

グランドセイコーのスプリングドライブ

世界に誇る孤高の技術だと思いますし、秒針のシームレスな動きは誰にも真似できない芸当だと思います。でも欲しくない。精度求めるなら電波時計かクオーツ買います。この値段出すならロレックス買います。すごく知的でまるでトヨタのミライみたいです。乗ってるだけで、ちゃんとして、賢く見えます。でも。

水素で走るミライをトヨタが開発して、世界に特許を無償で提供したけど、誰かあれを元に開発したんでしたっけ?セイコーの持っていたクロノグラフの知的財産権はタグホイヤーが大金を出してまで、買ったけど、スプリングドライブの技術は誰か欲しいのかな?

1970年代にセイコーが実用化したクオーツが世界に与えた影響やインパクトに比べれば、至高のガラパゴス技術なのでしょうか。

セイコーでも高級シリーズにしか載っていない高級ムーブメントですが、せっかく世界を驚かす技術を開発したなら、クオーツのようにもっとリーズナブルな時計に応用すべき技術ということです。

製造コストを下げて、下位のシリーズに応用したほうが、キャラクター的にもあっていると思います。そもそもがクオーツとメカニカルのいいとこ取りではあるが、グランドセイコー内でも、その両者と食い合うことにもなっている気がするので、セイコーに戻すか、グランドセイコーでは、クオーツの代わりにスプリングドライブで勝負した方がいいと思うんですが。

ネットショップや家電量販店で売り過ぎ

グランドセイコーを購入しようとした際、きっと一番安く買えるのがネットショッピングや家電量販店だと思います。タイミング良く買えば、ポイントを含め、実質定価の35%off近くで買えることも実際にあります。

マスターショップ限定モデルは定価での販売を義務付けているせいか、基本的に割引価格での販売はされていないようですが、多分実店舗だと非限定モデルでも20%offが一般的だと思います。

グランドセイコーは、自らのHPでも下記のように販売取扱店を紹介している。

家電量販店が多いですね。グランドセイコーですよ、ただのセイコーじゃない、フラッグシップです。

それを家電量販店の人に任せていいのか?ネットでポチってして、腕周りのフィティングを「○○㎝」と自己申告して、その長さに調整されたグランドセイコーが宅配で送られてきて、「あーちょっと大きいな。」とかそうゆうブランドなんでしたっけ?

ハイブランドの腕時計を正規直営店やデパート(以下、ブティック)で購入されたことがある方なら、経験があると思いますが、ブティックでのあのきめ細やかな対応や調整、接客を含め、総合的にブランド価値と捉えることができるのではないでしょうか?

こんな話を聞いたことがあります。

付き合って10年になる彼女に10周年のお祝いと誕生日を兼ねてプレゼントをしたいけど、自分からは聞けない彼氏が、共通の友人に頼んで、その彼女に何か欲しいものがあるかと尋ねると、彼女は「カルティエで時計を買いたい。」と言ったそうです。それを聞き、早速彼氏は、カルティエのブティックに足を運ぶと、カルティエの時計は60万円もしたそうです。その場では購入せず、念の為その足で家電量販店に行くと、その同じカルティエの時計が40万円ほどで売っていたのです。

彼氏は喜び、その場で時計を購入し、お祝いの日にサプライズでカルティエを渡しました。最初は驚き喜んでくれたかに見えた彼女の顔はどこか曇っています。

それはなぜ?

彼女が、カルティエの時計が欲しかったのは正解でした。しかし、正確にいうと、「カルティエのブティックにいき、優雅で特別感のある雰囲気の中、カルティエのお客様として接客を受け時計が買いたかった。」のだ。

話が脱線しましたが、スイスの高級時計ブランドで、自らのホームページにここで買ってくれと、家電量販店を示すブランドは私の知る限りない。少なからずグランドセイコーは高級マニュファクチュールブランドですよね。その販売方法を見直し、自らのブランド価値を下げないでいただきたい。

最後に、SEIKOさんに「こうして欲しい」

言いたい放題不満ばかり言って申し訳ありません。ただ、グランドセイコーには日本の誇りであり続けてほしいという思いからなので、セイコーの関係者の方、セイコーファンの方どうぞご理解をお願いします。

私も、グランドセイコーをこれまで3本、クレドールを1本、セイコーの時計は数えきれないほどに所有してきましたし、作りの良さやコスパ、性能を十分に理解しております。

そんなファンの一員だからこそ、こうあって欲しいという希望を書かせていただきます。

  • グランドセイコーとクレドールと統合し、シリーズ・モデルを整理する。
  • メカニカルのスポーツモデルを充実させ、各モデルのキャラクターを明確化する。
  • セイコーの影を感じないネーミングをするか、クレドールとする。
  • ネット販売や家電量販店の販売をやめ、マスターショップの実店舗専用販売にする。
  • グランドセイコーからスプリングドライブかクオーツどちらかを切り離す。
  • 手裏剣時計は二度と作らない。

ここまで、本当に自分本位に苦言を呈してきましたが、要するにセイコーの頂点であり、日本の頂点である自覚と誇りを自らが持ち、高級マニュファクチュールとしてのブランド価値を今より高め、高い水準で維持していただきたい。またロレックスをはじめとする海外のブランドの商品と肩を並べられる品質はあるのに、魅力で肩を並べられるような商品開発やラインナップをしていただきたいのです。

セイコーファンの方々、怒りを抑えてここまでご覧いただき、ありがとうございました。

私もSEIKOの時計を少なからず所有していて、本当にいい腕時計を作るブランドだと思っていますので。

高校生の時に図書館で「男の一流品図鑑」を見たことがきっかけとなり、以時計収集の趣味に目覚める。これまで所有した機械式腕時計は100本以上。

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