これから梅雨の季節に突入し、そして梅雨が明ければ本格的な夏が来ます。半袖を着る機会が増え、時計が目立つからファッションとしても積極的に時計を着けたい季節。でも同時に、実は時計たちにとって大きな負担となる季節でもあるのです。

梅雨で湿度が高く、毎日のように雨が降れば時計が濡れる可能性も高くなるし、夏は汗をかいたり、マリンスポーツ(レジャー)の機会も増えるので、時計にとっては大敵となる水分や塩分により時計がいつの間にか腐食してしまうことも・・・

時計の構造上、見えない部分に水分や塩分、汚れが蓄積しやすいので、一見綺麗に見える時計でも、ブレスレットをケースから外してみると、ケースとブレスレットの間に腐食が発生しており、金属がガタガタになっていたり、チタンの時計だと安心していたら、ブレス内のバネ棒など鉄製のパーツが錆びていた。ブレスレットがケースから外れなくなっていたりと、気が付かない間に腐食が進行してしまっていることもあるのです。
特にこれまでの使われ方が不明な中古の時計にも注意が必要です。

時計を腐食させる原因
まずは、時計の腐食となる主な原因です。
- 水分・・・湿度や雨、汗など
- 塩分・・・汗(塩分濃度約0.5%前後)や海水(塩分濃度約3.5%前後)
- 酸素・・・大気中に21%存在 これは避けられない
- 汚れ・・・汚れは水分や塩分を含んで長時間の接触になってしまうことも

どうやらこの中の複数が揃った時が一番腐食のリスクが高くなるのです。
腐食させないためにできる対策4選
腐食の対策をいくつか考えて見ました。
①錆びやすい素材、錆びにくい素材を選ぶ
基本的に時計は腐食しにくい、錆びにくい素材でできているのですが、塩分や水分が長期に付着し続けることにより、錆や腐食が発生してしまうことがあります。例えば、ステンレスは一般的に腐食しにくい素材と言われており、確かに鉄よりは腐食しにくいですが、状況次第では意外と簡単に腐食してしまうことがあります。

さらに腐食に強い素材としては、チタン、セラミック、アルミニウム、金、プラチナなどが挙げられます。しかし、チタンやセラミックなど、腐食しにく素材であっても、接続部分などのパーツにはステンレス素材が使われていることが多くあり、その部分から発生した腐食が間接的に影響を及ぼすことも少なくないので注意が必要です。

②時計の洗浄
やはり一番の対策は、洗浄と乾燥です。家庭でもできますが、店舗で超音波洗浄を無料でやってくれる場合もあるので、購入店等で確認してみると良いでしょう。ちなみにロレックス正規店もほとんどの店舗が、超音波洗浄をやってくれるみたいです。ただし、革ベルトの時計や非防水の時計はこの洗浄ができないみたいです。
③コーティング
この記事(こちら)で紹介した、コーティングなどをすることで、塩分や水分の影響を幾分か和らげることができる可能性があります。
④時計を使い分ける。
例えば、雨の日や、汗をかきやすい状況、海に行く際などは、非金属の時計や、ラバーベルトの時計を選ぶなど、用途だけではなく、気候などで時計を使い分けることで、腐食のリスクを軽減できます。ラバーベルトで、簡単にベルトを脱着できる機構を備えた時計などであれば、洗浄や感想も容易にできるので、個人的にはおすすめです。
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それでも腐食してしまったら。
では、気がついた時にはすでに遅く、腐食が進行してしまっていたら、どうしましょう。
この記事では傷のことを書きましたが、腐食に関しても処置は同様に、
①錆おとしや研磨で落とす→研磨や酸性のサビ落とし剤
②リケース
この二択でしょう。しかし、腐食は進行性なので、意外に傷よりも深く、研磨や錆おとしをしても、痕として残る可能性も高くなります。その際はリケースも視野に入れることとなりますが、年代モノの時計ではストックがない可能性もあるため、やはり「予防」が一番大切になると言えます。

本日のまとめ
最後に本日のまとめになります。
・ステンレスは腐食しない(錆ない)はウソ
・大敵は水と塩分(と酸素)で対策を忘れずに。
・知らない間に進行することがある。
・中古のリスク(腐食)にも注意。
・予防が一番大切
これからは、時計にとってある意味最高である意味最悪の季節がやってきます。是非、腐食に注意しながら、充実した夏のウォッチライフをお過ごしください。

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