ロレックスなどは投資対象となるほどの価値を持っていますが、ロレックス以外にも投資まではいかないにしても、価値が変わらない時計や上がる時計は意外とあります。

どんな条件の時計の価値が上がりやすいのかを少し考えて見たいと思います。
条件① 完全な機械式時計

ここは言うまでもなく、完全な機械式時計であることが大前提になります。完全と言ったのは、スプリングドライブのように一部クオーツ制御が入る機械式時計があるからです。もちろんクオーツやスプリングドライブに全く価値が出ない訳ではないでしょうが、それは極めて稀で、基本的に手巻きか自動巻の完全な機械式時計が条件になります。
条件② ステンレススチール素材の時計

一見、金無垢やプラチナ製の時計に価値が出そうだと思いますが、金やプラチナの価格変動でその時計の価値が変化することはあっても、時計自体の要素で価値が上がることは逆にレアになります。
過去に価格や価値が上昇した時計の殆どがステンレススチール製ですし、それはこれからも暫くは変わらないでしょう。
色々なメーカーがチタンやカーボン、セラミックやその他の特殊合金などを時計の素材に積極的に採用していますが、やはり一番ベーシックかつ優れた素材であるステンレススチールの時計の人気は暫くは不動でしょう。
条件③ オーソドックスなデザインの時計

所謂普通の時計です。時代は変わっても、シンプルで遊び心を最小限に抑えたミニマムなデザインが誰にも好まれます。もっと言えば、デザインしたことをあまり感じさせない、機能美をベースに作られた時計がより好まれる傾向にあります。文字盤の色も黒、白、シルバーなど、モノトーンのカラーが良いでしょう。
条件④ 汎用すぎるムーブメントではない時計
ムーブメントの普及量が少なすぎず、多すぎないことが条件になります。ETAのように量産されすぎていても、逆に希少すぎても人気は出ません。背景にある程度歴史と実績を伴う信頼性があり、ある程度レアさも兼ね備えているムーブメントです。多すぎれば希少性がなくなりますし、少なすぎては、故障時のメンテナンスに不安が生じるので人気が出ません。具体的に言えば、完全自社製ムーブメントやレマニアやジャガールクルトなどの比較的高級ムーブメントメーカーが供給したムーブメントです。
条件⑤ 生産数が限られた時計

いわゆる限定生産の時計や短期間しか作られなかった時計です。しかし、「限定」と付けばなんでも言い訳ではなく、あくまで他の条件に合致していることと、限定の本数が少ないことが必要でしょう。「限定2000本」など限定でも販売本数が多い時計は、希少性も低く、市場に多く出回り値崩れを起こしやすくなります。
最後に これから価値の上がる時計はある?

4桁や5桁のロレックスがなぜここまで価値が出たのか?私は、その一つの要因に「個体差」が存在すると思っています。
昔は手作業が多く、また、原料の品質も工場の移転や戦争などが影響して一定でなかったことなどのせいで、「個体差」が多く生まれたのです。
そのため、例えばトリチウム夜光のインデックスや針の焼け方、文字盤のひび割れ方が違ったりと同じ製品でありながら、一つ一つが経年により違う顔を現すようになっていった。このことが逆にマニア心をくすぐり、「高騰」を招いているのです。
現在の時計は、良くも悪くも品質が安定しているため、経年による個体差は出にくいことから、急激な高騰は起こりにくいと考えます。この先暫くは、またそこまでの人気が出ていない5桁のロレックスなど、1980年代から2000年以前の時計の人気が出て、価値価格が高騰する可能性があると思っています。
しかし、現在のようにアンティークのロレックスがここまで高騰することを当時から予め予測できた人は殆どいないでしょうし、予測できていたとしたら、今頃相当な資産を築き上げていることでしょう。そう考えると現在まだ注目されていない時計が将来どう化けるわかりません。
私が注目する将来性のある時計に関する記事はこちらです。
高騰しきった時計にばかり注目するのではなく、今後高騰するポテンシャルを持つ時計に投資することもやぶさかではないと思います。
あ、気がつけば今回が40記事目の投稿でした。毎回ご覧いただいて本当にありがとうございます。これからも頑張って投稿を続けますので、よろしくお願いします!